三多摩合同労組に加盟しました
2021年10月10日
ゆにおん同愛会分会 分会長 林武文
この2月から三多摩合同労組の分会となりました。ゆにおん同愛会は、横浜、川崎、東京でおもに知的障害福祉事業所を運営する社会福祉法人同愛会東京事業本部西多摩事業部の入所施設・日の出福祉園とグループホーム・秋川ハイムの職員が2010年に結成しました。
結成後すぐ、移動支援・重度訪問介護不正請求問題に直面しました。勤務実績の改ざんを指示されていた組合員が「こんなことはやりたくない!」と拡大執行委員会でみんなに相談したことで事件が発覚、事の重大さに私たちはすぐ報道機関に情報提供したり都議会議員に相談したりせず、事業管理者に事実確認と対策を求めました。結果、事件は「不正」ではなく「不適切」請求とされ、都の行政処分の対象とはなりませんでした。都立日の出福祉園を同愛会へ経営移譲した矢先の不正請求事件とあれば、東京都の責任は逃れられません。実態はまごうかたなき不正な虚偽請求であったにもかかわらず、都と法人の談合で不適切請求に落ち着いたのでしょう。3年にわたる団体交渉の結果、ようやく事件の顛末を当時の管理者に東京事業部の職員研修で説明させましたが、単なる「不適切」請求とされた事件は法人内で十分に教訓化されませんでした。結果的に組合の対応は間違っていたと言えます。最初から社会問題化すべきでした。
執行委員5名のうち4名が契約職員(非正規雇用)だったこともあり、組合は当初から非正規職員の待遇改善に取り組んできました。しかし、契約職員だった組合員は正規職員になると一人抜け、また一人抜けと、組合員は20名を目前に次第に減少していき、日の出福祉園だけの組合となりました。そんな中でも職場の民主化と労働安全衛生活動には重点的に取り組みました。
管理職の指名だった労働者代表を民主的選挙による選出に変え、組合代表だった私が選出されてからは組合員が労働安全衛生委員会労働者側委員となり活発な議論を重ねてきました。職員の業務災害に当時の管理職が労災申請手続きを取らなかったことがあり、それを議論した委員会の議事録が管理職に決裁されず開示されないことが続いたことで青梅労基署に申告しました。労基署の調査と指導を受けようやく開示された議事録は、議題が大幅に削除された「概要」でした。管理職に都合の悪い内容は記載されず、法人の規程に定められた書式と異なり管理職の決裁印もないものでした。議事録は激しい団交の末に開示され、今は悪事の証拠として「概要」も議事録フォルダに保存されています。
突然、正規職員が契約職員にさせられそうになった事件もありました。当該職員には契約職員の意味すら説明されていませんでした。これも激しい団交の末、当該職員の意向確認のための面接を組合立ち合いの下で実施させ、不当な雇用身分の変更を阻止することができました。
他にもたくさんありますが、職場は社会福祉事業所と思えないほど滅茶苦茶でした。都労委への不当労働行為救済申立は三回に及びます。直近の申立は非正規職員の福利厚生加入についての労使合意の不履行で先日和解が成立しましたが、法人の和解条項の不履行により申立取り下げは保留中です。
現在の職場は少しずつ改善してきた部分、なかなか変わらない部分、より悪くなった部分など、様々な要素が混在しています。社会なき社会福祉がありえないように社会なき労働組合もありえません。合同労組の活動はソーシャルワークに求められるソーシャルアクションそのものです。今後はより社会的連帯にもとづく組合活動を行っていきたいと考えています。よろしくお願いいたします。